【経理担当者・フリーランス必見】「振込手数料」のインボイス保存は不要?「値引き」処理と1万円未満の特例

皆さま、こんにちは。

暦の上では春が近づいてまいりましたが、冷え込む日が続いていますね。
体調など崩されていませんか?

最近、「インボイスが始まってから、細かい領収書の整理に追われて、本来やりたかった経営の構想を練る時間が削られている……」というお悩みを伺いました。

事務作業は大切ですが、経営者の皆さんの「創造的な時間」まで奪われてしまうのは非常にもったいないことです。

本日は、そんな事務負担を少しでも軽くするための「振込手数料」の実務テクニックについてお話しします。
少しでも皆さまの心がふっと軽くなるヒントになれば幸いです。


【振込手数料のインボイス問題を賢く解決する】


売掛金の入金時に、相手先から「振込手数料」を差し引いて振り込まれること、よくありますよね。
この「引かれた手数料」をどう処理するかで、実は事務負担が大きく変わります。

1. なぜ「支払手数料」だと面倒なのか?


一般的に、手数料分を「支払手数料(課税仕入れ)」として経理処理することが多いと思います。

しかし、消費税の控除を受けるためには、原則として銀行や相手先からのインボイス(保存義務)が必要になります。
「数百円の手数料のために、わざわざインボイスを管理するのは大変……」というのが現場の本音ではないでしょうか。

2. 「売上値引き」として処理すれば解決!


ここで活用したいのが、差し引かれた手数料を「支払手数料」ではなく、「売上値引き(対価の返還等)」として処理する方法です。

  • ルール: 税込1万円未満の「対価の返還等(値引き)」については、返還インボイスの発行義務が免除されています。
  • 実務のメリット: ほとんどの振込手数料は数百円〜千円程度。つまり、1万円未満であれば、こちらから「値引きした証明書」を送る必要もなく、相手からインボイスをもらう必要もありません。

3. 「会計上の科目」と「消費税の設定」のコツ


「でも、損益計算書上は『支払手数料』として管理したい」という声もよく伺います。

ご安心ください。
会計ソフトの設定で、勘定科目は「支払手数料」を使いつつ、消費税区分だけを「売上対価の返還等(8%または10%)」に設定すれば、会計上の管理と税務上の利便性を両立できます。

これなら、インボイスの保存がなくても自信を持って税務申告が可能です。

【チェックリスト:どちらの方法を選びますか?】

  • 支払手数料として処理: 原則、インボイスの保存が必要(※少額特例の対象企業であれば1万円未満は不要ですが、2029年までの時限措置です)。
  • 売上値引きとして処理: 1万円未満ならインボイス不要(恒久的な措置)

※上記情報は2026年2月時点の法令に基づいています。具体的な設定方法は、ご利用の会計ソフトのヘルプや、当事務所までお問い合わせください。


【編集後記】


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

「たかが数百円」と思われるかもしれませんが、日々の積み重ねは馬鹿になりません。

こうした小さな「手間」を一つずつ手放していくことで、経営者の皆さまの心に余裕が生まれ、より良いビジネスのアイデアが湧いてくるのだと私は信じています。

制度の仕組みは複雑に見えますが、必ずどこかに「賢く、楽に進める道」があります。
それを一緒に見つけるのが、私たち専門家の役割です。

「この処理、もっと楽にならないかな?」と少しでも感じたら、いつでも気軽にお声がけください。
皆さまの伴走者として、一番いい形を一緒に考えていきましょう。

応援しています!