【創業5年未満の社長へ】「創業融資」は、もう終わったと思っていませんか?『創業経営者保証不要型』はまだ使えます。

こんにちは、公認会計士・税理士の塙です。

今年も残り2ヶ月を切り、年末の慌ただしさとともに、来年の計画を考え始める季節となりました。

ふと振り返ると、創業してから、あっという間に数年が経っていた。
そんな経営者様も多いのではないでしょうか。

「創業期のドタバタはなんとか乗り越えた」
「最初の融資も受けたが、次の成長のために追加の資金が必要になってきた」

事業が次のステージに進む時、新たな資金調達の悩みはつきものです。
そんな時、「“創業”融資」という名前がついていると、もう自分たち(設立数年後)は対象外だと感じてしまっていませんか?

今日は、創業して数年が経過した「今だからこそ」活用できる、心強い制度のお話です。

「創業」と名前がつく支援制度は、一般的に「創業前」や「創業1年以内」といったイメージが強いかもしれません。

しかし、東京信用保証協会が扱う東京都の制度融資「創業経営者保証不要型(略称:創業経保)」は、実は「創業後5年未満」の法人であれば、幅広く対象としています。

■ 「法人成り」した方も対象です

「もう創業して3年目だから…」と諦めるのは早計です。
以下の要件に当てはまれば、今からでも「経営者保証なし」の融資枠を申請できる可能性があります。

  • 対象者:
    • 事業を営んでいない個人が設立した法人で、設立から5年未満であること。
    • 【重要】個人事業主としてスタートし、途中で「法人成り」した場合でも、個人の創業時から通算して5年未満であれば対象に含まれます。

■ なぜ「今」この制度なのか?

この制度の大きな特徴は、最大3,500万円という比較的多額な枠を、経営者の個人保証なしで確保できる可能性がある点です。

創業直後の方はもちろんですが、むしろ創業2~3年が経過し、「次のステージ」が見えてきた企業にこそ、大きなメリットがあります。

  • (例)追加の設備投資に。
  • (例)マーケティングを強化するための運転資金に。
  • (例)新規事業の立ち上げ費用に。

こうした「次の一手」を打つ際に、代表者個人のリスクをこれ以上増やさずに資金調達できる道があるのです。
(※税務申告を1期以上終えている場合は、創業直後のような「自己資金1/10要件」は通常ありません。事業の実績と計画書で審査されます。)

■ メリットのおさらい

  • 経営者保証が不要
  • 融資限度額 3,500万円
  • 東京都が信用保証料の2/3を補助

創業から5年という「助走期間」を支える、非常に強力な制度です。
ご自身の会社が対象になるか、ぜひ一度、設立(または個人創業)の時期を確認してみてください。

▼ 詳細は、東京信用保証協会のウェブサイトをご確認ください。

【編集後記】

創業から数年。
無我夢中で走り抜け、ふと気づくと「次の山」が目の前にある。
多くの経営者様が、そうした経験をお持ちです。

その山を登るための「新しい靴」や「丈夫なロープ」が、こうした制度なのかもしれません。

「うちの会社は対象になるだろうか?」
「今、この資金を借りて何に使うべきだろうか?」

そんな風に立ち止まって考える時間も、経営にとっては非常に大切です。


次のステージへ向かう皆様の挑戦を、私たちはいつでも応援しています。