【BCP】能登半島地震から2年。今こそ東京の企業が「防災」を再点検すべき理由
毎日寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
2026年も早くも1か月が過ぎようとしています。
ふとカレンダーを見て、2年前のこの時期を思い出していました。
2024年の元旦に発生した能登半島地震。
被災地の復興が進む一方で、私たち東京に住む人間の中で、
あの時の「衝撃」や「危機感」が少しずつ薄れてしまってはいないでしょうか。
心理学やコーチングの世界では、人は不安を和らげるために
「自分だけは大丈夫(正常性バイアス)」と思い込もうとする心の働きがあると言われます。
これは心の防衛反応として大切ですが、経営においては時としてリスクになります。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではなく、平穏な今だからこそ、
経営資源を守るための「備え」について、改めて一緒に考えてみませんか?
今回は、東京都の支援制度と、意外と知られていない「防災備蓄の税務」についてお話しします。
2. 【本文】東京の企業が知っておくべき「BCP」と「お金」の話
■ なぜ今、「BCP(事業継続計画)」なのか?
BCP(Business Continuity Plan)とは、自然災害やテロ、システム障害などの緊急事態に遭遇した際、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能にするために、平常時に行う取り決めのことです。
「うちは小さな会社だから、マニュアルなんて大げさなものは…」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、従業員やその家族、そしてお客様を守るためには、
「誰が、いつ、どう動くか」というシンプルなルールがあるだけで、結果は大きく変わります。
■ 東京都の「BCP策定支援」を活用しましょう
ここ文京区・千代田区を含む東京都では、中小企業の防災力を高めるために非常に手厚い支援を行っています。
特に、公益財団法人 東京都中小企業振興公社が実施している「BCP策定支援事業」は必見です。
- 専門家派遣: BCPのプロが会社に来て、リスクの洗い出しから計画策定まで無料でサポートしてくれます。
- 助成金の活用: BCPを策定し認定を受けると、自家発電装置や安否確認システムの導入、備蓄品の購入などに使える「BCP実践促進助成金」への申請資格が得られます。
(※募集時期や助成率は年度により異なります)
まずは「東京都 BCP」で検索し、公社のサイト(中小企業強靱化プロジェクトなど)をチェックすることをお勧めします。
■ 防災備蓄品は「いつ」経費になる?(税務のポイント)
さて、ここからは会計士としての視点です。
「防災用の食料やヘルメットを買いたいけれど、税金面ではどうなるの?」というご質問をよく頂きます。
原則として、消耗品は「使用した時」に経費(損金)になります。
しかし、防災備蓄品はずっと使わない(使わないに越したことはない)ものですよね。
では、廃棄するまで経費にならないのでしょうか?
いいえ、ご安心ください。
国税庁の取り扱いでは、以下の要件を満たす場合、「購入した時(事業の用に供した時)」に全額を経費として処理することが認められています。
【購入時に損金算入できるポイント】
- 備蓄用として配備していること: 購入して倉庫や各拠点に「いつでも使える状態」で保管した時点で、「事業の用に供した」とみなされます。
- 効果が長期間に及ぶものでもOK: 非常用食料(保存水、乾パンなど)や、繰り返し使うものではない簡易用具などは、購入時の費用として処理するのが一般的です。
※ただし、大型の発電機や高額な設備などは「固定資産」として減価償却が必要になる場合があります。
決算期末に利益が出そうな場合、将来への投資として「防災グッズの購入」を行うのは、
節税対策としても、会社を守るリスク管理としても、非常に理にかなった選択です。
3. 【編集後記】
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
リスク管理というと、どうしても「怖いことへの対策」と身構えてしまいがちですが、私は「会社と社員の未来を守る、愛のある行動」だと捉えています。
もし、「何から備えればいいかわからない」「BCP助成金の申請を考えたいけれど、書類作成が不安」
という方がいらっしゃいましたら、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。
税務の処理だけでなく、経営全体を見渡すパートナーとして、御社の「安心」を作るお手伝いをさせていただきます。


