【創業支援】その日付で大丈夫? 消費税還付を逃さない「事業開始日」の罠

2026年が明けて早2週間。

文京区や千代田区の活気ある街並みを歩いていると、新しいお店やオフィスの内装工事をしている風景をよく見かけます。

「これからここで、新しい挑戦が始まるんだな」と、私自身もMBA留学時代や事務所開設時のワクワクした気持ち(と、少しの不安)を思い出します。

コーチングの世界では「準備」もまた、重要なプロセスの一部と捉えますが、実は税金の世界、特に「消費税」においても、「準備」が始まった日が非常に大きな意味を持つことをご存知でしょうか?

今日は、これから起業される方や、大きな設備投資を伴う新規事業を始める方が、数百万円単位で損をしないための「日付」のお話をします。

これから事業を始める方、特に初期投資(内装工事や機械設備の購入など)がかさむ場合、「支払った消費税の還付」を受けるために「課税事業者選択届出書」を提出することがあります。

しかし、この届出のタイミングを誤り、「もらえるはずの還付金がもらえなかった」という事例が実際にあります。

その最大の原因が、「事業を開始した日」の認識のズレです。

1. 消費税法上の「事業開始日」は、オープン日ではありません

一般的に「事業開始」というと、お店がオープンした日や、初めて売上が上がった日をイメージされると思います。
しかし、消費税法上の解釈は異なります。

消費税法における「事業を開始した日」とは、課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日であり、これには、新たに事業を行うに当たり必要な準備行為を行った日も含まれます

具体的には、以下のような行為を行った日が「事業開始日」とみなされます。

  • 事業を行うために必要な資産(建物、機械など)の取得契約を締結した日
  • 商品及び材料の購入を行った日

つまり、まだ売上が1円も立っていない「準備期間」であっても、契約や発注をした時点で、消費税法上はすでに事業が始まっているのです。

2. 所得税(開業届)との違いに注意

ここが非常にややこしい点なのですが、税金の種類によって「開始日」の考え方が異なります。

  • 所得税法(開業届など): 具体的に事業開始に至った日(オープン日)を指すのが一般的です。
  • 消費税法: 上記の通り、「準備行為」を行った日を含みます。

3. 「年をまたぐ」場合は特に要注意!

この認識のズレが致命傷になるのが、準備とオープンが「年をまたぐ」ケースです。

例えば、個人事業主の方が以下のようなスケジュールで動いたとします。

  • 2025年8月: 太陽光発電設備の工事請負契約を締結し、契約金を支払った(=準備行為)。
  • 2026年2月: 設備が完成し、売電事業を開始した(=オープン)。

この場合、所得税の感覚で「2026年2月開業だから、2026年になってから届出を出せばいい」と考えていると手遅れになります。

消費税法上は「2025年8月」を含む年が「事業を開始した日の属する課税期間」となるため、2025年中に届出を提出していなければ、設備投資にかかった多額の消費税の還付を受けることができなくなってしまいます。

【編集後記】

「良かれと思って早めに準備をしたのに、手続きが遅れて損をした」というのは、経営者として最も避けたい事態ですよね。

私たち専門家は、こうした「法解釈の落とし穴」から皆様を守るために存在しています。
特に消費税の届出関係は、「一日遅れただけでアウト」という厳しいルールが多いのが特徴です。

もし今、頭の中で「事業計画」を描いているなら、契約書にハンコを押す前に、ぜひ一度ご相談ください。

レゴ®シリアスプレイ®で事業のビジョンを固めつつ、税務の足場もしっかり固める。
そんな「攻め」と「守り」の両面から、あなたの2026年のスタートダッシュを応援させていただきます。

寒さが厳しい時期ですので、どうぞご自愛ください。