【経営のヒント】赤字でも賃上げ?その「勇気」を国が5年間支える理由
新年あけましておめでとうございます。
2026年、新しい年が始まりましたね。
お正月はいかがお過ごしでしたか?
私は少し時間ができたので、久しぶりに自分自身の思考整理のために「レゴ®シリアスプレイ®」を行ってみました。
レゴブロックで「5年後の理想の事務所」を形にしてみると、中心にあったのは、やはり「人(スタッフ)」の笑顔でした。
どんなにAI技術が進歩しても、最後に価値を生み出し、お客様に安心を届けるのは「人の心」だと改めて感じた次第です。
さて、年明け早々ですが、春に向けた「賃上げ」の話題が熱を帯びてきます。
「社員に報いたいが、今の業績では厳しい…」
「赤字なのに賃上げなんて、経営的に無謀ではないか?」
そんな葛藤を抱えている経営者様へ。
今日は、その悩みを「未来への投資」に変えるための、国の強力なバックアップ制度について、少し深掘りしてお話しします。
赤字企業こそ知ってほしい。「賃上げ促進税制」の繰越控除
春の昇給シーズンを前に、ぜひ再確認していただきたいのが「賃上げ促進税制」です。
これまで「税額控除」というと、「黒字で税金を払っている会社しか意味がない(赤字なら関係ない)」と思われがちでした。
しかし、現在はその常識が変わっています。
中小企業にとって画期的な仕組みである「繰越控除措置」について解説します。
1. そもそも「賃上げ促進税制」とは?
給与支給額を前年度より一定割合増やすと、その増加額の一部を「法人税(または所得税)」から差し引くことができる制度です。
- 基本要件: 給与総額を前年度比 1.5%以上 増加させる
- メリット: 増加額の 15%〜最大45% を税金から控除可能
- ※教育訓練費を増やしたり、子育て支援(くるみん認定等)を行うことで、控除率が最大45%までアップします。
- ※教育訓練費を増やしたり、子育て支援(くるみん認定等)を行うことで、控除率が最大45%までアップします。
2. 「今年は赤字」でも無駄にならない「5年間の繰越」
ここが最大のポイントです。
今の業績が厳しく、決算が赤字(=法人税がゼロ)だった場合、これまではせっかく賃上げをしても税制メリットを受けられませんでした。
しかし、現在の中小企業向け制度では、使いきれなかった控除枠を「5年間」繰り越すことが可能です。
- 今の状況: 赤字で苦しい中、将来を信じて賃上げを決断。
- 制度の動き: 発生した「減税枠(控除額)」をストックしておく。
- 将来の状況: 業績が回復し、黒字になった年(税金が発生する年)に、ストックしていた減税枠を使って税金を安くする。
つまり、今の賃上げ(人件費アップ)は、「将来支払うはずの税金を減らすための貯金」という役割を果たします。
3. 「コスト」ではなく「投資」
経営的な視点で見ると、この制度活用には2つの大きな意味があります。
- 人材流出リスクの低減(リテンション)
物価高の中、賃上げを行わないことは、実質的な「賃下げ」となり、優秀な人材が離れるリスクを高めます。
一時的に赤字幅が広がったとしても、組織崩壊を防ぐための必要経費と言えます。 - V字回復時のキャッシュフロー改善
将来、業績が回復した時に、通常なら重くのしかかる「税金」が、この繰越控除によって軽減されます。
その浮いたキャッシュを、さらなる成長投資に回すことができます。
制度を活用するには、申告書への記載など一定の手続きが必要ですが、「事前に複雑な計画認定を受ける必要がない」(※一部要件を除く)のも、忙しい中小企業にとっては嬉しい点です。
【編集後記】
経営判断は常に孤独なものです。
しかし、こうした制度を正しく知ることで、その重荷は少し軽くなるはずです。
「5年後の会社」を想像したとき、そこに生き生きと働く社員の姿はありますか?
もしその未来を描くなら、今の苦しい時期の決断は、決して無駄にはなりません。
国もその「勇気ある投資」を、税制という形で5年間支えてくれます。
「うちの場合、具体的にいくら控除が残るの?」
「賃上げ率1.5%をクリアするためのシミュレーションをしてほしい」
具体的なシミュレーションが必要であれば、いつでもご相談ください。
今年も一緒に走り抜けましょう!


