制度を“攻め”の武器に変える方法
経営者の皆様は、日々の業務に追われながらも、
会社の成長や新しい事業展開、あるいは資金繰りについて
常に頭を悩ませていらっしゃることと存じます。
「新しい機械を導入したいが資金が…」
「後継者問題、どうしようか…」
多忙な中で、
情報収集や複雑な手続きに時間を割くのが難しい、
というお声もよく伺います。
そこで今回は、特に注目したい補助金
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【ものづくり補助金(第22次公募)】
【事業承継・M&A補助金(13次公募)】
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をご紹介します。
公募が開始された、この大型の二つの補助金について、
どのような企業が対象で、どんなメリットがあるのか、
そのポイントを分かりやすく解説します。
1. ものづくり補助金(第22次公募)
正式には
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」
と言います。
中小企業が、革新的な製品開発や新しいサービスの提供、
あるいは生産プロセス(仕事の進め方)を改善するための
「設備投資」を行う際に、その費用の一部を支援してくれる制度です。
■補助対象者
・新しい機械や装置を導入して、生産性を上げたい
・最新のシステムを導入して、業務を効率化したい
とお考えの中小企業・小規模事業者の皆様が対象です。
■補助上限額 や メリット
・最大のメリットは、高額になりがちな設備投資の負担を大幅に減らせる点です。
・従業員の数や申請する枠(コース)によって異なりますが、
最大で数百万円から数千万円規模の補助が受けられる可能性があります。
(※どの枠で申請するかによって、要件や補助額が細かく分かれています)
▼詳細は以下のリンクをご確認ください。
(【公式】ものづくり補助金総合サイト)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/
2. 事業承継・M&A補助金(13次公募)
こちらは、会社の「跡継ぎ」問題や、
M&A(会社の合併や買収)を通じて事業を引き継ぐ・引き継がれる際の
「専門家費用」などを支援してくれる補助金です。
■補助対象者
・後継者がおらず、事業の引継ぎに悩んでいる経営者の方
・M&A(事業の売却・買収)を検討している企業
・事業承継をきっかけに、新しい取り組み(経営革新)を考えている企業
■補助上限額 や メリット
・M&Aにかかる仲介手数料やデューデリジェンス(企業の価値やリスクを調査する費用)など、高額になりがちな専門家費用の一部が補助されます。
・これにより、費用面で諦めかけていたM&Aや事業承継が、現実的な選択肢となります。
・補助上限額は、こちらも枠によりますが、数百万円単位での支援が設定されています。
▼詳細は以下のリンクをご確認ください。
(【公式】事業承継・引継ぎ補助金)
https://jsh.go.jp/
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補助金 支給(利用)の流れ
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補助金は、「申請すればすぐにもらえる」というものではありません。
どちらの補助金も、大まかな流れは以下の通りです。
①公募要領の確認
まずは公式サイトで、「自社が対象か」「申請の締切はいつか」「どんな経費が対象か」を熟読します。
②GビズIDプライムアカウントの取得
現在の補助金申請は、ほとんどが電子申請です。
その際に必須となる、企業向けの共通ID(身分証のようなもの)が「GビズID」です。
※取得に1〜2週間かかる場合があるため、検討するなら最優先で手続きしてください。
③事業計画書の作成
ここが最も重要です。
「なぜこの投資が必要で、それによって自社がどう成長するのか」を具体的に示す書類を作成します。
④電子申請
準備した書類を、国の電子申請システム(Jグランツなど)から提出します。
⑤審査・採択決定
提出した計画書が審査され、合格すれば「採択」(補助金をもらう権利を得ること)となります。
⑥事業の実施・費用の支払い
採択が決定し、交付決定を受けた後、実際に設備を購入したり、専門家に依頼したりします。
(注意:原則、交付決定「後」の支出が対象です)
⑦実績報告と検査
計画通りに事業が終わったら、「計画通りに実施し、支払いを済ませました」という報告書と証拠書類を提出します。
⑧補助金の受給
すべての報告が承認されて、初めて補助金が振り込まれます。
(補助金は「後払い」が原則です。先に資金を準備する必要があります)
「ものづくり補助金」は未来への積極的な投資を、
「事業承継・M&A補助金」は大切な会社を次世代へ繋ぐための、
強力なサポーターとなります。
どちらも、資金調達の悩みを解決し、企業の新たな可能性を拓く大きなチャンスです。
「うちには関係ないかも」
「手続きが難しそうだ」
と諦める前に、まずは公式サイトを覗いてみてください。
この機会を逃さず、
自社の未来を切り拓くための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

